塗るだけでほうれい線が目立たなくなる！？新しいメイクアップ技術誕生

年齢を重ねると、女性にとって大きな肌悩みとなるのが「ほうれい線」。ほうれい線のシワは深く、さらに重力によってたるんだ肌が上から覆いかぶさり、影が強調されてしまうので、ファンデーションなどでカバーすることが難しいとされてきました。

花王は、頬のたるみを手で持ち上げるとほうれい線が目立たなくなることに着目。頬のたるみを物理的に持ち上げることで、ほうれい線を目立たなくするメイクアップ技術の開発に取り組みました。 

目をつけたのは、乾燥すると収縮して膜を作る性質がある、特定のポリマーを含む液体です。収縮する力を利用して、頬のたるみを持ち上げられないかを検討しました。頬のたるみを持ち上げるには、高い収縮性に加え、肌への密着性や柔軟性も必要なため、これらの特性を持ったポリマーを選別する研究を進めました。その結果、あるシリコーン系の疎水性ポリマーが、収縮性と柔軟性の両方を併せ持つ素材であることがわかったのです。 

このポリマーを使ったモデル処方のサンプルを用意し、40〜50代女性の頬（ほうれい線の上部）と口元（ほうれい線の下部）に塗ったところ、12名中11名のほうれい線の目立ちが改善されました。また、ほうれい線の深さも平均で約1mm浅くなっていたことが確認できました。今後はこの技術をメイクアップ商品開発に応用し、ほうれい線に悩む人々の思いに応えていきます。