季節の変わり目 肌が不調になるのはなぜ?理由とお手入れ篇

季節の変わり目は肌が不調に…今からできるいたわりケア

季節の変わり目に感じる肌の不調。花王ビューティリサーチ&クリエーションセンター(以下BRCC)の調査結果でも、肌の不調を感じることがある人の7割以上が季節の変わり目に感じているという結果が出ています。(別記事「季節の変わり目 肌が不調になるのはなぜ?意識調査篇」参照)今回はその原因と今からできるケアをお届けします。

北方一恵
花王ビューティリサーチ&クリエーションセンター ビューティセラピスト

季節の変わり目に肌が不調になりやすいのはなぜ?

まず、季節の変わり目に肌が不調になる主な原因として、角層機能の乱れが考えられます。肌の最も外側にある角層には「バリア機能」と「保湿機能」の二つの働きがあり、これらがうまく働くと肌は健やかな状態を保つことができます。

バリア機能 ・外部からの埃や刺激を防ぐ・体内の水分の過剰な蒸発を防ぐ 保湿機能 ・肌表面のみずみずしさを保つ

しかし季節の変わり目、特に冬〜春にかけては、冬の間に乾燥した空気や冷気にさらされてダメージを受けた肌が、その状態を改善しようと働きます。その過程でターンオーバーが乱れて角層の剥離量が増加、バリア機能や保湿機能も乱れがちに。これが、カサつきやごわつきを感じたり、紫外線やほこりなどの刺激にいつも以上に敏感に反応してしまったりする要因のひとつと言えます。

各層の機能が正常に働いている肌(イメージ)

各層の機能が低下した肌(イメージ)

また、季節の変わり目は、気候や生活リズムなどの変化に体が順応しきれていないことも影響すると考えられます。


肌を刺激しないお手入れ

肌の不調時は肌が敏感に反応してしまう場合があるため、刺激せず、角層のバリア機能や保湿機能を補うお手入れを心がけることが大切です。

STEP1「洗う」

洗顔のポイントはこすらず、弾力のある泡で洗うこと。摩擦は肌の刺激となるので、クレンジングも洗顔も肌をこすらないことが大切です

POINT

  • ・洗顔料はよく泡立て、キメ細かく弾力のある泡をつくる  
  • ・手と顔の肌が直接触れないように、泡で洗う
  • ・顔を拭くときもこすらず、清潔なタオルで肌を軽くおさえる

※泡立てずに使用するタイプの洗顔料の場合も、肌をこすって刺激しないようにしましょう

<おすすめアイテム>

  • ・肌のうるおいを逃がさない洗顔料
  • ・泡で出てくる洗顔料
  • ・低刺激処方の洗顔料

STEP2「与える」

肌の不調時に感じやすい「乾燥」には丁寧な保湿が重要。化粧水、乳液、クリームをすみずみまでなじませて。

POINT

  • ・顔の立体に合わせて手を沿わせ、塗り残しをつくらない
  • ・使用量も重要。商品の裏面などで目安の確認を
  • ・男性は、女性より水分量が少ない傾向にある、頬や口もとを特に意識

<おすすめアイテム>

  • ・保湿効果の高い化粧水や乳液、クリーム
  • ・角層のバリア機能の働きをサポートするアイテム
  • ・低刺激処方のアイテム

STEP3「防ぐ」

日やけは肌の不調が続く一要因に!春先の肌は、メラニンが少なく紫外線に対して無防備な状態なので特に意識を。UVケアアイテムで紫外線から肌を守りましょう。

POINT

  • ・UVケアアイテムを、塗り残しのないように顔全体にのばす
  • ・紫外線を浴びやすい、額や鼻、頬骨などの顔の高い部分には丁寧に
  • ・紫外線は一般的な不織布マスクを透過。マスクで覆われる部分にも忘れずに

<おすすめアイテム>

  • ・日やけ止め
  • ・UVカット効果のある化粧下地や乳液、クリーム

季節の変わり目に肌の調子が悪くなっても焦らず、肌を刺激しないお手入れでおだやかに乗り切りたいですね。

北方 一恵

花王 ビューティリサーチ&クリエーションセンター ビューティセラピスト

官能評価のプロとして、テクスチャーや成分の特徴をいかしたスキンケアメソッド開発を担当。オンラインイベントやセミナーでのレクチャー経験も多数。またビューティレッスンを行うスタッフ教育にも携わり、実践的なスキルを身につけることができる的確な指導に定評がある。

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